伊豆大島の火山活動研究
伊豆大島は、歴史的には平均的な噴火間隔30−40年の活火山です。 防災科学技術研究所では1985年より伊豆大島の火山活動観測に着手し、 1986年噴火の直前にボアホール式傾斜計をカルデラ外輪に設置しました。 1986年11月21日の割れ目噴火では、この傾斜計により噴火に前 駆する地盤の傾斜変動を観測することに成功しました。
上図は、1986年11月21日の伊豆大島島内に設置された2カ所の傾斜計によ る割れ目噴火を挟む期間の変動の様子です。割れ目噴火の始まる約2時間 前から前駆的な変化が始まっています。この前駆的変化は地下でマグマの 上昇運動が始まり、岩盤が変形したことによるものです。(図は山本他(1988) による。)