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防災科研Webサイト（リンク先：https://www.bosai.go.jp）
最終更新日：2012年1月27日

有珠山の山体表面温度観測について

（平成１２年度第７回観測速報結果）

平成１２年９月２０日

防災科学技術研究所

　防災科学技術研究所では平成１２年９月１９日と２０日に今年度第７回目の有珠山温度観測を実施し、下記の結果を得た。

１．これまでの観測結果との比較

（１）観測諸元比較　（表１）

（２）主な地点の最高温度比較表　（表２）

２．まとめ

　有珠山山頂部及び昭和新山地域に新たに顕著な熱異常域は見られない。西山火口群NB火口では9月19日に96℃を観測した。この温度は、新しい火口群の温度としてこれまでの一連の観測で最も高い値である。20日は30℃であった。19日は噴気の状況から火口底の温度が観測できたものと考えられる。NC火口及び金比羅山火口群の最高温度は、前回の観測値と大差ない。

　なお、これらの観測温度値は、噴気・噴煙の影響を受けていると考えられる。

連絡先：	防災科学技術研究所　　地震調査研究センター　　火山噴火調査研究室　　　鵜川・藤田　　 TEL:0298-58-1004、FAX:0298-51-5658

航空機搭載型MSSによる有珠山温度観測比較表

表１　観測諸元比較

No.	観測日時	使用観測器	瞬時視野角	飛行高度（対地高度*）	備　考
1999-1	1999年10月 4日 8時頃	VAM-90A	1.5mrad	2,700m　（2,000m）	１コース
2000-1	2000年 4月 3日　9時頃	VAM-90A	1.5mrad	2,700m　 (2,000m)	２コース
2000-2	2000年 4月26日12時頃	J-SCAN-AZM	1.25mrad	3,100m　 (2,400m)	１コース
2000-3	2000年 5月25日10時頃	VAM-90A	1.5mrad	3,100m　 (2,400m)	２コース
2000-4	2000年 6月16日11時頃	VAM-90A	1.5mrad	3,100m　 (2,400m)	２コース
2000-5	2000年7月11日14時頃	VAM-90A	1.5mrad	3,100m　 (2,400m)	２コース
2000-6	2000年8月1日13時頃	VAM-90A	1.5mrad	3,100m　 (2,400m)	２コース
2000-7	2000年9月19日12〜13時	VAM-90A	1.5mrad	3,100m　 (2,400m)	２コース
2000-7	2000年9月20日９時頃	VAM-90A	1.5mrad	3,100m　 (2,400m)	２コース

*対地高度は基準面高度を700mとしたときの値。

今回の観測諸元。
　

表２　主な地点の最高温度比較表

観測日	有珠山山頂部	昭和新山	西山西麓		金比羅山周辺		有珠山山麓部	洞爺湖水温	気温（室蘭）
1999-1　　1999/10/4	184℃	94℃	−−−		−−−		8-12℃		15℃
2000-1　　2000/4/3	174℃	95℃	43℃		46℃		0-8℃	4-5℃	5℃
2000-2　　2000/4/26	171℃	66℃	38℃		33℃				8℃
2000-3　　2000/5/25	165℃	106℃	NB 40	NC 48℃	KA 48℃	KB 41℃	15-30℃	10-13℃	12℃
2000-4　　2000/6/16	159℃	102℃	48℃	58℃	54℃	48℃	18-25℃	15-18℃	21℃
2000-5　　2000/7/11	170℃	110℃	*	53℃	*	53℃	19-23℃	18-19℃	25℃ **
2000-6　　2000/8/1	151℃	80 ℃	44℃	49℃	49℃	40℃	23-26℃	22-23℃	27℃ **
2000-7　　2000/9/19　　　　　　　　2000/9/20	134℃ 119℃	雲により不可 92℃	96℃ 30℃	50℃ 48℃	35℃ 45℃	56℃ 31℃	15-18℃ 13-18℃	19-20℃ 18-20℃	２１℃ ２０℃

注）1999-1は幾何補正画像による温度値、2000-1〜5はバルク画像による温度値。2000-6と2000-7は即時処理による暫定値。

　：今回の観測値。
　

*：噴気により測定不能。

**：伊達の気温。