このページは更新が終了しています。最新の情報は下記をご覧ください。
防災科研Webサイト(リンク先:https://www.bosai.go.jp
最終更新日:2012年1月27日

三宅島の山体表面温度観測について

(平成13年9月12日観測速報結果)

平成13年9月13日

防災科学技術研究所

 防災科学技術研究所では噴火活動中の三宅島の活動状況を把握するため、火山専用空中赤外映像装置VAM-90Aによる温度観測を9月12日に実施した。即時データ処理による速報結果を下記に示す。

1.観測諸元

(1)観測日時 :平成13年9月12日 10時37分〜11時54分

(2)観測コース:高度が海抜5,000mの3コース(MYK01-1A、MYK01-1B、MYK

01-1C)、海抜3,600mの1コース(MYK01-1D)。いずれも

直下視観測

(3)天候   :晴

(4)観測機器 :火山専用空中赤外映像装置VAM-90A

2.温度分布

 飛行コースMYK01-1Dで、火口内の噴煙の根元付近に最高温度494℃(バンド6)が観測された。昨年度に観測された火口内の最高温度188℃(バンド8、9月22日、飛行高度5,000m、サイドルック)と比較すると、約300℃最高温度の上昇が見られた。この理由として、観測コースの違い(サイドルック観測と直下視観測)、噴煙が減少し高温域が捉えられるようになったこと、これまでの継続的な地熱の供給によって火口内の高温域の面積が拡大したことが考えられる。可視光域の画像からは、噴煙の状況がわかる。

 

添付画像:飛行コースMYK01-1Dについて、バンド8(8-11μm帯)による地表面温度分布画像及び可視光域(バンド2)による可視画像。温度観測実施時の三宅島の様子(航空機からのディジタルカメラによる撮影画像)。

添付表1:昨年度および今回の三宅島温度観測結果一覧。

連絡先: 防災科学技術研究所         

火山噴火予知に関するプロジェクト担当

實渕・鵜川

TEL:0298-51-1611、FAX:0298-51-5658






第1表 昨年度および今回の三宅島温度観測結果一覧

No. 観測日時 使用 MSS コース数 海抜高度 火口内の
最高温度
備考
1 2000/7/9
10h 〜 11h
J-SCAN-AT-5M/II 4 2,800 m 46℃ 噴気・噴煙なし。
最高温度は日射の影響と考えられる。
2 2000/7/17
12h 〜 13h
VAM-90A 3 4,300 m 46℃ 火口の東側に降灰が認められる。
降灰領域で、最高63℃が観測された
が、日射による温度上昇と考えられる。
3 2000/9/22
10h
VAM-90A 3
サイドルック
5,000 m 188℃ 多量の噴煙が認められる。
最高温度は火口底南部。噴煙の影響が大
きい。
4 2000/11/30
14h 〜 16h
VAM-90A 2
サイドルック
5,000 m 82℃ 噴煙が火口底南部から放出されている。
最高温度は噴煙の根元で観測されてい
る。噴煙の影響が大きい。
5 2000/2/3
12h 〜 13h
VAM-90A 3
サイドルック
5,000 m 25℃ 噴煙の影響が大きい。
6 2001/9/12
10h 〜 12h
VAM-90A 4
直下視
5000 m
3,600 m
494℃ 最高温度は噴煙の根元で観測された
(band6 の計測値)。噴煙の影響は比較的
小さい。
	 注) 最高温度は、即時処理による暫定値。